『聖なる・第十の予言』で示された十の知恵
第一の知恵  変化のきざし
新しい霊的な目覚めが、今、人間の文明に起こり始めている。この目覚めは、自分の人生は霊的にひもとかれてゆくものであり、多くのぶしぎな偶然一致に導かれていると体験した人々が一定の数に達することによってもたらされる。
第一の知恵は、私たちが偶然の一致をまじめに考えた時に実現します。
こうした偶然の一致は、何か他のもの、霊的なものが私たちのすべての行動の下に隠れていると、私たちに感じさせます。

第二の知恵  今という時
過去五百年間続いた物質主義と科学万能主義にかわって、新しい、より完全な世界観が生まれようとしている。
私たちは地球上での人間生活の真の目的と宇宙の真実の姿に目覚めてゆく。
第二の知恵は、私たちの気づきを現実のものにします。自分たちが物質的なものだけに心を奪われ、身の安全のために、自分のまわりの状況を支配しようと一生懸命だったことに、我々は気がつくのです。そして心を開くということは、何が本当に起こっているかに目覚めることだと悟ります。

第三の知恵  エネルギー
私たちは物質的な宇宙ではなく、常に動いているエネルギーからなる世界に住んでいる。
存在するものは聖なるエネルギーの場であり、私たちは自分の欲する方向へ注意を向けることにによって、自分のエネルギ−をその方向へと放射し、他のエネルギー体に影響を与えることができる。第三の知恵で、生命の新しい見方を知ります。物質的な宇宙は純粋エネルギーであり、そのエネルギーは、我々がどう考えるかに反応します。

第四の知恵   権力闘争
 ほとんどの人々は聖なるエネルギーの源から切り離されており、そのために無力感と不安を感じている。エネルギーを得るために、私たちはいろいろな手段で他人の注意を自分に引き付けて、その人からエネルギーを盗もうとする。盗まれた人はカを失ったように感じ、それを取り戻すために戦いをいどんでくる。これこそが、人間のすべての争いの原因である。
第四の知恵は、他人を支配し、他人の思考を奪うことによって、彼らからエネルギーを盗むという、人間のくせを明らかにします。
これは、エネルギーが不足し、どこからも入って来ないと感じるために、私たちが犯している犯罪なのです。
こうしたエネルギーの不足は、より高次の源につながることによって、当然解消されるものです。
もし私たちが心を開きさえすれば、宇宙は私たちが必要とするもののすべてを、与えてくれます。これが第四の知恵の啓示です」

第五の知恵   神秘体験
 私たちは自分の内なる神のエネルギーとつながった時、すべてと一つになった神秘的な体験をする。体が軽くなり、愛にあふれた感覚が、神秘体験には伴う。

第六の知恵   過去の清算
 内なる神とつながっていない時、私たちはストレスを感じ、他の人々からエネルギーを盗もうとする。そのやり方にはその人特有の方法がある。自分が無意識に行なっているエネルギーの盗み方に気がつくと、内なる神とのつながりがさらに強まり、私たちはより霊的に成長し、自らの使命を知ることができる。

第七の知恵   流れに乗る
 自分の使命を知ることによって、偶然の一致の流れが早まってゆく。
夢、白日夢、直観が、私たちをさらに先へと導いてゆくようになる。

第八の知恵   人との新しいかかわり方
 すべての人々の中に美しさを見ることによって、私たちはその人々を神聖なる自己に高めさせ、その人々から、私たちがその時に必要なメッセージをもらうことができる。親子、家族、友人など、愛のエネルギーを与え合うことが、非常に大切である。

第九の知恵   新しい文化
 私たちが霊的に進化成長するに従って、生産技術は自動化され、私たちは自己を成長させることへと人生の焦点を移して行く。このような成長は私たちをより高いエネルギーレベルヘと高め、究極的には、私たちの体を霊体へと変容させる。

第十の知恵   ヴィジョンを保つ
 霊的な成長を続けるためには、自分が何をなしとげようと思って生まれてきたのか、つまり、パースヴィジョンを思い出す必要がある。また、人類全体がどのような社会に向かっているのか、その未来のヴィジョン (世界ヴィジョン)を知り、それを心の中にしっかりと思い措いて、保ちつづけることが大切である。

 こうした十の知恵を理解した上で、さらに、私たちが今、二十一世紀に学ぼうとしている知恵が本書に書かれている「第十一の知恵」だと、ジェームズは語っています。今回は場所をアジアに変えて、西欧人からみればそれこそ神欝な国、チベットが雪です。チベットの辺境にシャンバラを探し苦る旅の中で、主人公は次々と困難に出会いながら、肯定的なエネルギ1と前向きな祈りを人々へ送ることの大切さと、その具体的なやり方を繰り返し学んでゆくのですが、読み進んでゆくうちに私たち読む者も、自然とそのやり方を身に付けてゆけるような気がします。私たちは常に肯定的な祈りをこころの中に保つことによって、世界を平和な未来に変えることができる、というメッセージこそが本書のテーマといえるでしょう。このことはすでに多くの人々が苦から主張していることでもあり、決して目新しい考えとはいえません。最近では科学的にも研究されているので、詳しくは、ジェームズの『聖なるヴィジョン』を読んでいただきたいと思います。そしてもう三、私たちは、実は天使、ダキニ、精霊など、呼び名は様々ですが、見えない存在によって常に助けられているということも、『第十の予言』以来、ジェームズが追求しているテーマです。今回はそのように私たちを助けている天使の存在について、彼なりの体験とその解釈を示しているのも興味深いところです。すでに、多くの人々が天使や精霊の助けを実際に身近に感じていると思いますが、これからもますます彼らの存在は私たちの人生に大きな役割を果たすようになるでしょう。