自然環境と気の話 
 春夏秋冬、私たちは時々刻々自然環境に影響を受けています。
 そして、外因(風・寒・暑・湿・火)は気の流れを停滞させ、気のエネルギーに変化を生じさせています。
 木の芽どきとか五月病というように、春になると体調を悪くする人が増えます。
それは、草木を眠らせる冬のエネルギ−から、草木を目覚めさせ花を咲かせる春の急激なエネルギーの上昇に、
身体がうまく対応できないから病気になるのです。
 自然環境の影響をたいへん受けやすい病気の一つに神経痛があります。
神経痛の特徴は、天気が崩れる前に痛みが強くなることです。
天気予報より正確に雨を予報できるほどです。
 なぜ、そうなるのでしょうか?
一般的には、湿気が神経痛に悪い影響を及ぼすと考えられています。
たしかに外因論にあるように、湿気は身体を冷やすことにもなり、身体に悪いことは事実です。

 しかし、神経痛が強く痛みはじめるのは雨が降る前なのです。
湿気が増える前に痛みが急激にくるのです。
 それは、痛みを強くさせているのは湿気よりも、大気圏から降り注いでくるエネルギーが強くなるからなのです。なぜ強くなるのでしょうか?
 それには、低気庄が大きな意味を持っています。
低気圧とは気圧が下がることです。
気圧が下がれば、大気圏のエネルギーが地上に向かって降りてきます。

 大気圏のエネルギーが地上に降りてきて充満するのです。
そして、神経痛などの身体の悪い部分にプラスイオンが入り込んでくるのです。
 神経が痛むところには、もともと過剰の気エネルギ−があります。
 そこに大気圏のエネルギーがつくと、細胞におけるプラスイオンとマイナスイオンの調和が乱れ、
そしてますます過剰のエネルギーになり痛みが急激に強くなるのです。

 ですから、低気圧がいすわる梅雨時は体調を崩すのです。
 低気圧がくると、痛みだけでなく喘息の発作も多く起きます。
 この雷雨と喘息の因果関係も、低気圧と痛みの関係と同じなのです。
雷によって電気が発生し、過剰の電気が喘息の発作を引き起こすのです。病気の本質とは、身体に流れる生命エネルギーの存在があり、それこそが命の源であり病を治す力だとかんがえられます。
 広島言葉
ホー ノー。
ナカナカ ウチカタノ マゴラーゴーイルバカリデ。
コノコラー リヨーゲヲ サタメトルン ジャガ。

 「フガエー」、「ゴーイル」、「リヨーゲヲサダメル」。どんな漢字を当てることができるでしょうか。
方言の日常会話に、こんな言葉が普通に使われているのです。
 「フガエー」の「フ」は、「天賦の才能」という時の「賦」でしょうか。「畳の上で死ぬるのはフがえぇが、そうでない者はフが悪い」とか、いわゆる「巡り合わせ」の良し悪しに使われます。
 これによく似た言葉に、「マンガエー」「マンガワルイ」の「マン」があります。
「フガエー」というのは、いわゆる宿命的なものであるのに対して、「マンガエー」は偶然的な「巡り合わせ」に使われます。

 ○とかくフの悪い男で気の毒だ。とか、
 ○こんな所で会えるなんてマンがええのう。
のように。
 「フ」と「マン」 に近い意味の語が「ブニ」。「ブニ」は、「運」や「わけ前」と解釈されます。
 ○今日のブニューここに置くぞ。
などと使います。本来の意味として、「持って生まれた持ち分」という考え方が備わっているようです。
成功を収めた人のことを、
 ○あの人にゃあ、ブニがあったんじゃのう。
のように言います。「分割する」 の 「分」 の字を当てることができるでしょう
            ふ まん ぶに
 いずれにしても、人間の一生は、持って生まれた賦や満や分があるという、仏教的な考えが、
こうした言葉の底に流れているのでしょう。

 次の話題に移ります。
 「ゴーイル」。この「ゴーイル」は、すんなりと物事が運ばず、腹が立つというかなかなか苦労するといった意味で使いますね。「ゴーガニュル」とも言います。「ゴー」は「宿業」 の「業」。
 ○この子はようまあ業いってから。
あれだけ業をいってやったにいっそ有難がらん。
普段の会話によく出てきますね。
  「フガエー」 のも、「マンガエー」 のも、「ブニガエー」 のも、「ゴーイラス」 のも、すべて仏のお導きと考えています。そのように、すべてを観念してしまったら、「オリョーゲヲサダメテ」しまうのです。
「リヨーゲヲサダメル」とは観念するということです。「リヨーゲ」には、「ものごとを領解する」の「領解リヨーゲ」があてられるでしょうか。